s

昔から、なぜか人から相談を受けることが多かったのです。幼い頃から一丁前に母にダメ出しをしたり。友だちの悩みに「こうしたらいいんじゃない？」と自分の考えを話すと、たいていは納得してもらえるし、感謝される。役に立てた気がして嬉しかった。大人になると、人生の選択肢は広がり、人間関係はふくざつになる。私が自分のタロットカードを手にしたのは、大切な友だちから複雑愛の相談を受けたときでした。そんな人、やめといたほうがいい。あなたのために言っているんだよ。頭の中にはそんな正論しか浮かびません。でも、本当にそうなのか。会ったこともないし、顔も知らない相手。ふたりの時間はふたりにしか分からないのです。何も知らないのに、決めつけでアドバイスなんかしたくない。だからって、手ばなしで応援するのはもっと違う。でも、何か拠り所のある言葉をかけることができたら..そこで思い浮かんだのが昔から好きだった”占い”というツールでした。最初は趣味の範囲で。身近な人たちを占っていました。その延長として、「占いがあれば、知っている人以外の相談も聞けるんじゃないか」そう思い、SNSで募集した多くの方々のご相談もお受けしてきました。会ったことのない方から、悩みを相談してもらえるなんて。不思議に思うとともに、確かな手ごたえも感じています。私たちの世界は、数年前には想像もできなかった状況になりました。みんなそれぞれの不安を抱えながら過ごしています。知らない人だからこそ話せることもある。占いがあれば、知らない人なのに、あなたの背中を押せる可能性があります。私がひとりでも多くの誰かの、そんな存在になれたら幸せです。